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海外派遣ISEF

ISEFに出場するには

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日本学生科学賞では高校の部入賞作品の中から代表作品を選び、毎年5月に米国で開催される世界最大の学生科学コンテスト国際学生科学技術フェア(ISEF)に派遣しています。

ISEFまでの多彩な研修とメンター制度で国際レベルに!

 日本学生科学賞では、代表作品をISEFに派遣するにあたり、研究を国際レベルに高めるため、専門家の先生による助言や英語力の強化など手厚いサポート体制を敷いています。大舞台に挑むまでの研修制度をご紹介します。

1月

第1回 ISEF派遣者決定・説明会

 研究者(ISEF派遣者)・指導教諭・メンターに就任されている中央審査委員の先生が一堂に会して説明会を行います。
 過去の出場者や、ISEF審査員の経験者による講演会で意識を高めた後は、論文のまとめ方や発表を指導をいただくメンターの先生との打ち合わせを行います。大学教授から直接アドバイスが受けられる貴重な4か月間の始まりです。

3月

第2回 ポスター・スピーチ研修

 第1回研修後も、メール等でメンターの先生 とのやり取りを続け、「Abstract」「Research Plan」などを完成させていきます。
 3月の第2回研修では、再び派遣者とメンターの先生が顔を合わせ、本番で使用する英文ポスターやスピーチ原稿について、活発な議論を繰り広げます。2日間の研修を通じて、派遣者同士の親睦も深まります。

4月

第3回 プレゼン研修

 出発を約1か月後に控え、制作中のポスターを使って英語発表を繰り返し練習します。想定される質問への対応方法など、メンターの先生から専門的なアドバイスを受け、本番までに改善すべき課題を洗い出します

5月

いよいよ本番!

 現地入り後も、通訳に発音や表現法などを指導してもらいます。会場内のロビーなど、本番直前まで練習を重ねることで、自信の源になります。

ISEF2015審査風景

ISEF2019掲載記事

読売新聞 2019年6月30日朝刊掲載記事

上条さんは松本盆地周辺を再現した模型を持ち込み、研究内容を説明した(米アリゾナ州フェニックスで)

 米アリゾナ州フェニックスで5月に開かれたISEFには、80か国・地域から約1850人が参加した。昨年の日本学生科学賞の入賞者から6チーム8人が出場し、研究発表に臨んだ。
 このうち、ISEFの特別賞である米気象学会賞3等を受賞したのが、長野県松本深志高3年の上条藍悠(あいひさ)さん(18)だ。授賞式でステージに上がった上条さんは「名前が呼ばれるとは思わなかった。実感が湧かず、とても不思議な気持ちだった」と振り返る。
 上条さんは気象庁の地域気象観測システム(アメダス)のデータやコマ撮りカメラで撮影した雲の画像などを分析し、松本盆地の上空に浮かぶ夕立雲の動きの仕組みを解明した。出場前に気がかりだったのが「松本盆地に関する知識のないISEFの審査員たちに、研究内容がきちんと伝わるか」という点だった。
 そこで「秘策」として用意したのが、松本盆地周辺の地形を再現した自作の模型だ。5月の連休の大半を費やし、発泡スチロールを切り抜いて完成させた。審査会場では綿で作った白い雲を手にしながら、雲や風の流れを詳しく説明。審査員からは「非常に分かりやすかった」と好評。「賞を受けたのは模型の力が大きかった」と笑顔を見せた。
 審査会翌日の一般公開で上条さんの説明を聞いたチリ人男性は「雲の動きと地形の関係がイメージしやすかった。世界のほかの場所でも起きる現象で、素晴らしい研究だ」と話した。
 上条さんは海外の代表者の研究発表も積極的に聞き、「内容はほぼ理解できた。これまで自分のやってきた勉強が間違いではなかった」と手応えも得たという。ただ、今回の結果に満足はしていない。「達成感はあるけれど、もう少し上の賞も狙えたという悔しさもある。ISEFはこれからの研究を進める動機付けになった」。気象関連の研究者という将来の夢に向かって、今後も努力を続けるつもりだ。

授賞式では、優れた研究成果を披露した高校生らに盛大な拍手が送られた

 ISEFは1950年から毎年開かれているコンテストで、世界中の高校生らが「生化学」「地球環境科学」「ロボット・知能機械」など22部門に分かれ、研究成果を披露する。科学に関連する国際大会では、一つの科目を対象とする「国際数学オリンピック」や「国際物理オリンピック」などがあるが、ISEFは様々な分野の学生が一堂に会するのが大きな特徴だ。
 優れた研究発表を行った出場者には優秀賞や特別賞が与えられ、大会の最優秀者には賞金7万5000ドル(約810万円)が授与される。その規模の大きさから、ISEFは「世界最大の科学コンテスト」とも呼ばれている。
 世界の注目を集めるゲノム編集技術「クリスパー・キャス9」の第一人者である米ブロード研究所のフェン・チャン博士も、ISEFの参加経験がある。チャン氏は今大会の開会セレモニーに登壇し、「ISEFでは科学を学ぶだけでなく、多くの友人ができた。彼らとは今でも交友が続いている」と語った。
 ISEFは、世界の高校生らが進めている研究のトレンドが浮き彫りになる「見本市」の側面もある。今大会で目についたのは人工知能(AI)を取り入れた研究発表だ。AIを使ったロボットやセンサーの開発だけでなく、地震後の余震の予測や水中の植物プランクトンの検出、音楽の作曲など、AIを幅広い分野で「道具」として使いこなしている様子がうかがえた。AIは世界中の大学や企業で研究開発が盛んになっており、最先端技術を高校生たちの研究の現場でどう使っていくかは、日本の今後の課題となるだろう。
 次回ISEFは来年5月に米カリフォルニア州アナハイムで開かれる。日本学生科学賞の審査を勝ち抜いた代表者たちが、世界の舞台で活躍することを期待したい。