中央最終審査・表彰式

後輩へのエール

喜びの声

第68回日本学生科学賞

中学の部
内閣総理大臣賞受賞

福島大付属中2年 横川眞子さん

福島大付属中の教室で研究について
紹介する横川さん(福島市で)

 アサガオの研究に小学1年から取り組む。幼い頃、家族が育てていて、「上まで伸びていてすごいなあ」と感じたのが興味を持ったきっかけだった。
 8年目となる今回は、これまでの研究を踏まえ、つるの巻き付きには植物ホルモンのジベレリンが必要だと仮説を立てて実験。つるの先端にジベレリンと、それを抑制する物質をそれぞれ塗布し、比較した。
 実験結果を得るためには、朝晩の水やりと記録が欠かせない。夏の暑さと苦手な虫に耐えながら、例年よりも多い40鉢を家で育てた。それでもアサガオには「引き込まれる面白さがある」。疑問を解決したい一心で、研究の手は止めなかった。
結果、つるの巻き付きはジベレリンを抑制する物質で阻害された。この実験などから、つるが棒に巻き付くためにはジベレリンが必要で、つるの先端に自分で産生し貯蔵していることが分かった。
 「知的で賢い」という理由で、アサガオに夢中だ。計画的にジベレリンを貯蔵して巻き付くところに、他の植物とは違う魅力がある。今回の実験から新たな疑問も生まれたといい、研究意欲は尽きない。
 「まだ知識不足で、アサガオ博士とは言えない」と控えめながらも、「今までの積み重ねをまとめた研究が評価されてうれしい」と喜んだ。

2025年1月28日付 読売新聞(福島版)

高校の部
内閣総理大臣賞受賞

大垣北高校 自然科学部オオサンショウウオ班

内閣総理大臣賞に輝いた部員たち(大垣市で)

 県内のオオサンショウウオの分布を調べるため、菅田川で調査をしていた時に見つけた個体の地色が黒っぽく、斑紋は淡い色をしていた。固有種の個体は褐色や黄色の地色で、黒色のはっきりした斑紋がある。見た目が大きく違っていた。
 「何だろう」と疑問に思い、顧問の高木雅紀教諭に見せると顔色が変わった。県内で初めて交雑個体が見つかった瞬間だった。
 外見だけで判断せず、広島大の研究施設に遺伝子検査を依頼し、後日、交雑個体と判明した。山形県の慶応大先端生命科学研究所で開かれた高校生バイオサミットの発表当日に知らせが入り、「やっぱり、交雑個体だったか」と部員たちに衝撃が走った。
 外来種や交雑個体は国内各地で問題になっており、国は昨年7月、特定外来生物に指定した。同班はサンクチュアリ作りを進め、捕獲した固有種を放流して保護を図ることにしている。

2025年2月28日付 読売新聞(岐阜版)

受賞者 喜びの声 2025 | 内閣総理大臣賞受賞 | 第68回 日本学生科学賞
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