第67回日本学生科学賞
ヌマチチブの記憶と個体識別能力
ヌマチチブの研究について説明する桜井さん
桜井さんは3年連続でハゼ科の魚、ヌマチチブの生態について研究し、2年連続で入賞した。「中央表彰式では、なかなか名前を呼ばれず、どきどきした。最後に呼ばれた時は驚きました」と振り返る。
3年目の今回は、ほかの個体に威嚇行動することが多いヌマチチブが、相手を「記憶」しているかをテーマにした。個体をそれぞれの水槽に入れ、どのような行動を取るか観察。ヌマチチブに動画を見せるという手法も取り入れた。
自宅1階の一部屋は、30匹程度を飼育する「ヌマチチブ部屋」となっている。餌をあげ続けていると、部屋に入るとすぐに自分の方に近づいて来るようになるのが「かわいい」と話す。
これからもヌマチチブを研究していくという。
2024年1月31日付 読売新聞(京都版)
アルテミシニン誘導体の抗マラリア活性評価
内閣総理大臣賞を受賞した塚井さん
塚井さんは、抗マラリア物質「アルテミシニン」について研究。三つの新たな抗マラリア物質をつくり、うち一つが新薬開発につながる可能性があるという。
オンラインで実施された中央審査で審査員の質問に対応するため、指導した鳴門教育大の早藤幸隆教授と想定問答を作り、母親とも練習を重ねた。厳しい質問もあったが、「落ち着いて答えられた」という。
22日に東京で行われた表彰式では、なかなか名前が呼ばれず「祈るような気持ちだった」。最高の結果が出た瞬間については「驚きが大きくてよくわからなかったけど、賞状に自分の名前が見えた時に『よく頑張った』と思えた」と話した。式の後、秋篠宮さまから質問を受ける一幕もあり、「現実じゃないみたいだった」と振り返る。
来年5月、米ロサンゼルスで行われる高校生らの科学コンテスト「国際学生科学技術フェア」(ISEF)に日本代表として出場することも決まり、「日本で一番の賞をもらえたので、結果を残したい」と意気込んだ。
2023年12月27日付 読売新聞(徳島版)