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第68回 日本学生科学賞 第68回 日本学生科学賞

中央最終審査・表彰式

後輩へのエール

喜びの声

学生科学賞から道開く

過去の日本学生科学賞の受賞者たちは、受賞を一つの糧として、現在も研究を行い、活躍しています。 自分の体験を通して感じたこと、研究のヒントなどを語っていただきました。

受賞をきっかけに研究者の道へ

山口 晴代さん 
国立環境研究所 生物・生態系環境研究センター主任研究員

山口 晴代さん

 生物部に所属していた高校時代、藻類の一種「ヒカリモ」が群生する池が学校近くにあったことから、他の部員たちと研究しました。黄色く光って見えるヒカリモの生態は、当時ほとんど解明されていませんでした。生息条件を調べるため、培養液の濃度や成分を変えるなど、自分で方法を考えて疑問を解決していく過程が楽しかったです。研究成果を日本学生科学賞に応募したところ、文部大臣奨励賞(当時)をいただきました。

 日本代表として派遣されたISEFでは、舞台の華々しさに「高校生の科学研究で、こんなに輝ける場所があるんだ」と驚きました。結果は4位で、日本勢で唯一の入賞。研究で新しいことを発見すれば認めてもらえる――あの時得た自信と喜びから、研究者の道に進むことを決めました。

 卒業後、筑波大学に進学し、現在は国立環境研究所で藻類を中心とした微生物を研究しています。新種の藻を発見したほか、夢だった微生物の図鑑を刊行することもできました。日本学生科学賞がなければ、今の自分はなかったはずです。

 世の中には、教科書には載っていない、解明されていないことがたくさんあります。日本学生科学賞は、誰も知らないことを調べて明らかにし、世界に発信できる貴重な機会です。研究に関心のある皆さんは、最初の一歩と思ってぜひ応募してみてください。