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ポップ・アート 1960's →2000's
From Misumi Collection
坂本 顕子 熊本市現代美術館 主査
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展覧会ロゴと“アンディ君”

 熊本市現代美術館は、これまで美術館連絡協議会(以下、美連協)巡回展を計4回実施した。2012年の「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」、2013 年の「アール・ブリュット・ジャポネ」展、2015年に表題の「ポップ・アート」展、2017年の「三沢厚彦 ANIMALS in 熊本」展である。その中で、筆者が担当した「ポップ・アート」展について振り返ってみたい。

 2013年から14年に、森美術館や国立新美術館でアンディ・ウォーホルやアメリカン・ポップ・アートの大回顧展が相次いで開催された。当館においても、アンケートに「ポップ・アートの展覧会をみたい」という要望が定期的にあり、実現の機会を狙っていたことから、同展を実施する運びとなった。

 同展は、2002年に東京都現代美術館で行われた「WE LOVE PAINTING ミスミコレクションによるアメリカ美術」をベースに、10年以上、美連協では12館が実施してきた人気企画である。その一方で、当館の面積に対する作品のバランスや、ポップ・アートを2010年代に紹介する意義を含めて、内容を現代的にアップデートさせる必要があった。

 そこで、所蔵先や監修者のご許可を頂きながら、以下の3点の工夫を行った。

①2010年代におけるポップの状況を示すために、タグチコレクションよりヴィック・ムニーズ、ジュリアン・オピー、デミアン・ハースト等の作品を紹介した。

②優れたポップ・アートの名品を持つ北九州市立美術館や、福岡市美術館、熊本県立美術館のコレクションを併せて紹介し、研究者による講演を行った。

③展覧会キャラクター「アンディ君」のアイテム作成や、ワークシートやパネルの設置、シルクスクリーンで刷った100枚の自分の顔のポスターを街なかに貼るワークショップなどを多数実施した。

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ファミリーツアーの様子(2015年8月1日)

 夏休み期間中という事もあり、展覧会は子ども連れやカップルなどで賑わい、入場者、収支が目標を達成、来場者の満足度も高かった。教育普及担当の筆者としても、展示と関連プログラムのバランスが非常に良い内容になったと、大いに自己満足をしている。

 「キャンベル・スープのポスターや、リキテンスタインの“泣く少女”を見られて嬉しかった」。ミーハーかもしれないが、そんな市民のささやかな期待に地道に応えていく事も、地方公立美術館の大切な役目だ。昨年担当した、「三沢厚彦展」でも感じたが、ロングランを続ける美連協企画は、比較的低コストであると同時に、自分たちが設定した狙いにあわせて、作品研究などの準備期間がとれ、丁寧に展覧会を実施する事が出来るという良さがある。

 これからも、美連協企画をうまく活用させていただき、熊本ならではのユニークな味付けのアイデアを練りながら、作品やコレクションの持つ素晴らしさを市民に伝えていければと思う。

会期・会場:2015年7月25日(土)〜9月27日(日) 熊本市現代美術館
「ポップ・アート 1960's→2000's」展は、損保ジャパン東郷青児美術館、茨城県近代美術館、広島市現代美術館、八王子市夢美術館、松本市美術館、北海道立帯広美術館、長野県信濃美術館、岩手県立美術館、横須賀美術館、高知県立美術館、河口湖美術館、川越市立美術館で開催

美連協ニュース140号(2018年11月号)より転載(※役職は掲載時)



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