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第35回 「心に残る医療」体験記コンクール 〜あなたの医療体験・介護体験を募集します〜

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第35回入賞作品

<小学生の部> 優秀賞

我が家のヒーロー

吉瀬 茉城(よしせ ましろ)(12)大阪府

私の家族はとても仲が良い。いつも面白いお父さん、よく笑うお母さん、元気でしっかり者のお姉ちゃん。そんな家族に甘えてばかりの私。かけがえのない大切な家族だ。

お父さんにガンが見つかったのは、お母さんと結婚したばかりの頃だ。悪性の耳下腺しゅよう。耳の下にコブが出来ていたのに気付いていながら、忙しくてなかなか病院に行かなかった。やっと病院に行って詳しく検査した時には、お医者さんから「すぐ手術しましょう」と言われたそうだ。そして入院、手術、放射線治りょうもして。その時は色々と大変だったようだ。だけどとってもいい先生に恵まれたおかげで、病気はすっかり治った。お父さんは15年以上経(た)つ今も元気いっぱい働いている。それに病気が見つかっていい事もあった。その入院中、病室を回ってきた優しい保健師さんに勧められて、ずっと吸っていたタバコをやめたそうだ。お父さんが若い頃、タバコを吸っていたなんて驚いた。体に良くないし、あの匂いは苦手だ。だからタバコを吸わないお父さんで本当に良かった。

うちのお父さんとお母さんが、ずっと仲が良くケンカもした事がないのは、その時病気を一緒に乗り越えたからじゃないかな?

それから、お姉ちゃんが生まれる時も大変だった。お姉ちゃんはへその緒を自分の首に巻き付けて、それをしっかり握りしめていたらしい。33時間もかかってようやく生まれた。しかし無事でよかったと喜ぶ間もなく、次はお母さんが大量出血で危険な状態に。先生や看護師さんたちが急にあわただしくなり、「ご主人呼んできて!」となった時は、お母さんもさすがに「えらいことになった」と思ったそうだ。そんな危機も、懸命な処置のおかげで救われた。後で聞いた話によると、念のために点滴用の針を腕に確保していなかったら、輸血も点滴もできず、助からなかったかもしれないと。お母さんはその後しばらくICUに入っていたので、生まれたばかりのお姉ちゃんのお世話が出来なかった。お姉ちゃんがしっかりした性格なのは、その時大変なお母さんに「甘えちゃいけない」「しっかりしなきゃ」と思ったからじゃないかな?

それから今度は私。予定日より早く生まれた私はとっても小さな赤ちゃんだった。しばらく保育器に入れられていて、私だけ入院が長引いた。私が今も甘えん坊なのは、その時お母さんと離れたのが、すごく淋(さび)しかったせいじゃないかな? 退院後も大きな病院で色々な検査をしたらしい。けれど、何事もなく元気に大きくなった。今では年に一度、熱を出した時に近所の病院に行くぐらいだ。優しい院長先生が診てくれると、いつもそれだけで安心して、大丈夫な気がするから不思議だ。

我が家はこうして4人家族になれた。いろんな事が家族のきずなを強くしたと思う。そんな我が家の健康と平和をずっと陰で守ってくれたヒーロー、お世話になったすべての先生や看護師さんたちにとても感謝している。


(敬称略・学年などは2017年2月18日時点)

  • (注)入賞作品を無断で使用したり、転用したり、個人、家庭での読書以外の目的で複写することは法律で禁じられています。


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  • 主催
  • 日本医師会
  • 読売新聞社
  • 後援
  •  厚生労働省
  • 協賛
  • 東京海上日動 東京海上日動あんしん生命

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