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第35回 「心に残る医療」体験記コンクール 〜あなたの医療体験・介護体験を募集します〜

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第35回入賞作品

<中高生の部> 優秀賞

私の生きる世界

堀内 愛華(ほりうち あいか)(18)神奈川県

私は、高安動脈炎という膠原病を患っています。高校一年生のときに発症しました。

この病気は、完治のない病気で、「指定難病」に定められています。認知度が低く、日本にも五千人程しか患者がいないと言われています。私は、この病気になって、二年になります。この二年の間に、何度も体調を崩して入退院を繰り返しました。高校にも通うことが出来ず、この二年間はほとんど病院か自宅で過ごしていました。今も、自宅療養をしています。私の高校生活は闘病生活となってしまいました。楽しみにしていた文化祭や、体験学習、修学旅行も行けませんでした。普通に学校に通えている友達のことを羨ましく思ったり、ときには妬ましく思うこともありました。友達と同じように私も学校に通いたい。どうして私がこんな目に? こんなの理不尽だ。病気はどうして私を選んだの? こんなのあんまりだ。

毎日泣いて過ごしていました。誰からも理解されず、病気と上手く付き合っていくことも出来なくて、自暴自棄に陥っていました。でも、そんなとき、高安動脈炎の患者会の存在を知りました。私はその交流会に参加し、初めて同病の方に会いました。最年少だった私は、その中でも目立っていました。ご年配の方が多く、病歴も何十年と長い方から、数年、最近発症したという方もいて、症状も人によって様々でした。当事者からの生の声は、自分と重なるところも多くて、悩みや不安、辛さや周囲からの無理解など、聞く事のほとんどが日々自分も思い悩んでいることと重なって、涙が滲むほどでした。病状が中々良くならない私のことを気に掛けて下さる方も多くて、「絶対に良くなるから、諦めないで頑張ってね」と心強い言葉もかけて頂きました。私は、この交流会に参加したことで、生きる希望を取り戻すことが出来ました。同じ病気の方と交流することはとても大事なことです。同じ病気を持っているからこそ、同じ苦しみが分かるのです。共感し合うことで、お互い励まし合っていけるのです。私は、自分と同じように病気で苦しんでいる人たちの支えになりたいと思うようになりました。私は今でも、学校に通えなくなったことを悔やんでいます。出来ることなら、私も高校生活を送ってみたかった。青春というものを謳歌してみたかった。何の変哲のない日常を、当たり前のように送ってみたかった。外の世界は、私にとって未知なる世界です。家の中で一日を過ごす私は、狭い世界の中で生きています。でも、そこには私だけの世界があります。私の生きる世界は、他の人とはちょっと違うけど、この生き方に後悔はありません。私はこれからも、私の世界の中で生きていきます。病気になって失ったものも多いですが、得たものもあります。病気になって初めて知った人の温かさや、優しさ。でも、ときには傷つくこともありました。思いが上手く伝わらないもどかしさ、他人と比較する日々は、これから先も変わることはないのかもしれません。それでも、私は病気である自分を受け入れてこれから先も生きていかなければなりません。病気になったその日から、私の闘病生活は始まっていて、新しい人生がスタートしたのです。一度きりの人生です。後悔のないように必死に生きて行こう思います。生きてさえいれば、きっと何かが見えてくるはず。

今という日がある限り、明けない日もないのです。


(敬称略・学年などは2017年2月18日時点)

  • (注)入賞作品を無断で使用したり、転用したり、個人、家庭での読書以外の目的で複写することは法律で禁じられています。


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  • 主催
  • 日本医師会
  • 読売新聞社
  • 後援
  •  厚生労働省
  • 協賛
  • 東京海上日動 東京海上日動あんしん生命

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