読売新聞へようこそ■イベント

第33回 「心に残る医療」体験記コンクール 〜あなたの医療体験・介護体験を募集します〜

トップページ > 第33回の受賞作品一覧

第33回入賞作品

<小学生の部> 優秀賞

手は心の太陽

南部 篤司(なんぶ あつし)(10)宮城県

3年前、おじいさんが心臓の病気で旅立った。ぼくは、小学4年生になります。

安心して、痛みもやわらぐ。手のぬくもりは、心をポカポカにしてくれます。

小学1年生まで扁桃腺炎を繰り返し、40度の高熱に苦しみ、ツバも飲みこめない痛み。病院の薬を飲み、熱を下げる座薬を入れてもらっても、なかなか熱が下がらない。

痛くて、苦しくて、声をだすことができない。涙が止まらなかった。つらい日。

「大丈夫だからな」

と、背中をさすり声をかけて、安心させてくれた。おじいさんの大きな手を握り、眠りについた日のことが、今でも心によみがえる。おじいさんは、ぼくの心の太陽です。

ぼくが、生まれてから誰よりも手をかけて成長を喜んでくれた、おじいさんは拡張型心筋症を患い入院しました。

お見舞いに行くたび、食事することができなくなって、握手する手は大きな手ではなくなっていった。そして、目を閉じている時間が長くなっていく。

おじいさんを見ていると、涙が止まらなかった。

「お孫さん来てくれたね」

看護師さんの明るい声に、うなずくおじいさん。

「おじいさんは、がんばっているのよ。目を閉じていても、声が聞こえているから、話しかけてあげて」

看護師さんは、ぼくの手を握り笑顔で教えてくれた。

「おじいさん。また、一緒に遊んでね」

ぼくは、元気になってもらいたい、そう願いをこめて、手を握りしめた。

すると、おじいさんは、うなずきながら涙を流した。

1週間後、大好きなおじいさんは、長い眠りにつきました。

今、自信を持って自分の考えを言えるのは、あの時、「おじいさん。また、一緒に遊んでね」と、伝えることができたからです。

一生けん命に治療をして、明るく声をかけてくれた、お医者さん、看護師さんに励ましてもらい、おじいさんは生きる勇気をもらったと、ぼくは実感しています。

ありがとうございました。

太陽の温かさを感じると、おじいさんの手のぬくもりを思い出す。困った時、苦しい時、悲しい時、ぼくの心をポカポカにしてくれた。

「人の命は、一人では助けられない。多くの人の力が必要だ」。夏休み、普通救命講習会へ、お父さんと一緒に参加した。倒れて苦しんでる人がいたら、大きな声で周りの人に協力を求め、呼吸を目でみて、耳できいて、手を当て確認する。両手を心臓に当て、力強く心臓マッサージをすることを学びました。

 安心を与えられる救急救命士になりたい。


(敬称略・学年などは2015年3月7日時点)

  • (注)入賞作品を無断で使用したり、転用したり、個人、家庭での読書以外の目的で複写することは法律で禁じられています。


[第33回受賞作品一覧へ]

  • 主催
  • 日本医師会
  • 読売新聞社
  • 後援
  •  厚生労働省
  • 協賛
  • 東京海上日動 東京海上日動あんしん生命

ヨミドクター