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第25回 「心に残る医療」体験記コンクール 〜あなたの医療体験・介護体験を募集します〜

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第25回入賞作品

<小学生の部> 最優秀賞

「ぼくのたからもの」

河本 知樹(9歳)大阪市 小学3年

ぼくのたからものは、ひょうしょうじょうです。せかい中で、たった一まいしかない、ひょうしょうじょうです。それは、ぼくの七才のたん生日にもらいました。

ぼくは、赤ちゃんのときから、ぜんそくというびょう気をもっています。四才になってようちえんに行くようになっても、よくゴホゴホとせきがでました。ぼくは、うんどう場で、友だちと、サッカーをしたり、おにごっこをしたり、マットで、でんぐり返りをするのが大すきでした。でも、一生けんめいあそんでいると、すぐにむねがゼーゼーヒューヒューといいだして、すごくくるしくなりました。(なんで、ぼくだけこんなふうになるんだろう。ぼくが、わるい子だからかなあ。お母さんの言うこと、まもらないからかなあ)と考えたりしました。

そんなとき、ぼくのおじいちゃんが、がんで、入いんしました。ぼくが、びょういんにお見まいに行くといつも、おじいちゃんは、自分が、がんでいたくてつらいはずなのに、

「よう。今日も元気そうだな。しっかり、あそんできたか?おじいちゃんも元気いっぱいだぞ」

と、言います。ぼくは、そのたびに、おじいちゃんは、ぼくがぜんそくだって知ってるくせに、びょう気だって知ってるのに、どうして元気そうだなって言うんだろう。自分も、ぜったいに元気じゃないはずなのに、元気いっぱいだってうそつくんだろうって思っていました。そんなおじいちゃんは、ぼくが小学校に入学するまえに、なくなりました。後から、お母さんに聞くまで知らなかったんだけど、なくなったおじいちゃんは、赤ちゃんのぼくをみながら、ずいぶん心ぱいしてくれたそうです。

「知樹は、こんなに小さいうちから苦しいめをしてかわいそうだなあ。おじいちゃんがかわれるものならかわってあげたいよ。元気に小学校に行けるのかなあ」

って。ぼくには、一回も、心ぱいしてるなんて言ってなかったのに、いつも元気か? しか言わなかったのに。なんでだろう。

おじいちゃんの、おはかまいりがすんでから、おじいちゃんの入いんしていたびょういんに、お母さんと行ったとき、ぼくは、なぞがとけました。おじいちゃんが、入いん中、おせわになった先生方や、かんごしさん、ヘルパーさん、びょうとう中の人が、ぼくのこと、『ぜんそくだけど、元気な知樹くん』って、知ってたんだ。なぜかというと、おじいちゃんは、びょう室にまわってくる先生や、かんごしさんに、自分のびょう気のことじゃなくて、ぜんそくは、どうやったらなおるのか、どうしてやったらいいのかということを聞いていたそうです。そのときの先生が、子どものころのぜんそくは、大きくなると、だんだんましになってくること・ぜんそくと上手に友だちになれば、全ぜん、心ぱいいらないびょう気だということ・家族が、とくべつあつかいせずに、はげましてあげればいいということを、教えてくださったと、かんごしさんに聞きました。

ぼくは、自分でかってに、(ぼくは、ぜんそくだから、元気じゃない)って思ってたけど、いつもおじいちゃんに、元気元気と言われるうちに、だんだん、(ぼくは、ぜんそくでも元気なんだ)と思うようになりました。それで、びょう気だから元気じゃないと思う心が、びょう気なんだと思いました。心は、びょう気に負けないぞと思いました。おじいちゃんを、みてくださった先生がぼくに、

「知樹くん、『やまいは気から』って知ってるか? びょう気なんか、へっちゃらだ。負けるもんかって思ってる人には、びょう気がにげていくんだよ。おじいちゃんは、びょう気に負けなかったよ。さい後まで、いたいって言わなかったよ。知樹が、ぜんそくとたたかってるのに、自分が負けられんって。これは、おじいちゃんから、あずかった、ひょうしょうじょうだ。七才のおたん生日に、あけて読んでほしいって言ってらしたよ」

と、つつを、わたしてくれました。

たん生日に、あけてみました。

「知樹くん、ぜん息に負けず、小学校入学おめでとう。そして七才、おめでとう。これからも、強いからだと、ねばりづよい心をもちつづけてください。おじいちゃんより」

天国のおじいちゃん、そしておじいちゃんとぼくに勇気をくれた先生、ありがとうございました。ぼくは、これからもっともっと強くなります。そして、世の中のびょう気で苦しんでいる人たちのつらさがわかり、そして元気をあげられるお医者さんになりたいです。


(敬称略・学年などは2007年1月現在)

  • (注)入賞作品を無断で使用したり、転用したり、個人、家庭での読書以外の目的で複写することは法律で禁じられています。


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  • 主催
  • 日本医師会
  • 読売新聞社
  • 後援
  •  厚生労働省
  • 協賛
  • 東京海上日動 東京海上日動あんしん生命

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