デザイン実現の現場
西澤 健(展覧会カタログより抜粋) 環境アート 照明 道 ストリートファニチュア
開催要項
グラフィックデザイン
プロダクトデザイン
空間デザイン
デザイン実現の現場
空間デザイン
ひとつのTかたちUが空間をつくる。一輪の花、一つの器、一幅の書、或いは窓の一つに、人の意志を表現したとき、それが空間を支配することがあります。茶室はその典型です。茶室を囲む樹木や石、待合や雪隠は、茶庭をなし、一体となって、人を迎えます。そこには人工でありながら自然、自然でありながら人工、という創造の原点を見いだすことが出来ます。

東京タワーの照明(石井幹子、1989年)=スライドショー
空間のデザインとは、個々の立場から主張しあい、統合していく課程で生み出されるものです。だからこそ、一つの器、一本の樹木がその空間を構成する大切な要素足り得るのでしょう。そこには「茶室」から「都市」さらに「宇宙ステーション」まで、一貫した空間創造の哲学が必要です。
その視点に立つと、項目も多岐に亘り、多くの作品が浮上しました。今回の展示にあたっては、その内容を「インテリア」、「道」、「ストリートファニチュア」、「環境アート」、「照明」に絞り、そこから出来るだけ特性のある空間を表現しようと試みました。実物展示もありますが、展示空間の制限条件等により、空間デザインの領域は模型や写真、映像表現にならざるを得ませんでした。今回を契機に是非現場へ出向き、実際に体験して頂きたいと思います。
インテリア
選者:角幡 進、北原 進、杉本貴志、高取邦和、加瀬正興、浦 一也
「人の身体に最も近い空間を考え、それを創出していくことは、空間文化を生み出す原点であり、それはこれからも変わらないことだと考える。人が一期一会という心で出会い、一服の茶を通して気持ちを通わせたことは、やがて茶事というかたちを生み出し、空間芸術にまで昇華していった。」
選者:伊藤隆道
「多くの都市や公園など「計画された環境」がうまれた。それ自身が芸術表現であったり、芸術との深い関わりによる「環境」が社会にとって重要な位置をしめるようになったりしたのである。環境芸術、パブリックアート、環境デザインなど領域を示す言葉は多いが、社会との関わりで成立する芸術として捉えても良いだろう。」
選者:近田玲子
「1980年代、横浜市のライトアップをはじめとした都市景観照明が、昼間にはない夜の照明演出として話題を集め、照明デザインの市民権が確立された。1990年代になると、都市の生活時間の拡大に伴って、照明デザインへの社会的需要が飛躍的に増大した。2001年のいま、人を取り巻く環境を豊かにする照明デザインの今後への期待は大きい。」
選者:西澤 健
「20世紀、自動車の為に専用道路が作られ、都市の形相共に「道」は大きく変化した。しかし今も日本における「道」は、単に往来の為だけでなく、西洋の広場が持つコミュニティを形成する役割も兼ねて、昔も今も変わっていない。」
選者:長谷高史
「近代デザインの環境への取り組みは1850年代のニューヨークのセントラルパーク、英国の郵便、通信のネットワークに整備されたポストや信号機、仏国のイベント開催のためのポスターなどがあげられる。その後、世界は都市化による様々な環境へのデザインからの取り組みがなされてきた。」